「本を読めば頭が良くなる」とはよく言われますが、
実のところ、本を読めば読むほどますます頭が悪くなる人もいます。
なぜなら、本の内容に依存してしまい、自分の頭で考えなくなるからです。
著者の考えをなぞっているだけの、確認読書から卒業する必要があるのです。
では、どう読むべきなのか?今回はその方法をご紹介していきます。
あえて自分の思考とは違う本を読んでみる
良くない読書の仕方とは、「確認するための読書」です。
旅行で例えると、フランスのパリに行くと、ガイドブックで紹介されている、
エッフェル塔を見て、「わあ、これがエッフェル塔か~」と確認して、
記念写真を撮って帰ってくる、というのはよくある光景です。
ただこれは、他人がなぞった「エッフェル塔」を自分もなぞるだけ。
旅行する前に想像していたエッフェル塔と、実際に行って見たエッフェル塔は、
全く同じ、ただの「確認するための旅行」です。
ランニングの読書も同じです。自分の考えと同じ個所を見つけて満足する。
自分が思っていることを著者が代弁してくれて安心する。
多くの人がこういったランニング本を「良い本」と思う傾向にあります。
確かにそんな本は気分よく、安心して読め、非常に読みやすいはずです。
もちろん私も、本を読み、メダリストのランナーや名監督が言っていることが、
自分の考えと同じだった時は、すごくうれしかったです。
それに、だれもが言っているようなセリフでも、忘れかけていた大切なことを、
改めて気づかされたことも何度もあります。
しかしそれだけでは、自分の思考と行動のレパートリーを広げることができません。
自分の思考にパラダイムシフトが起きるのは、やはり異次元の主張、自分の考えとは異なる主張、
読んでいて読みにくく感じる、今までにない主張に出会う時です。
確認読書からの卒業は大切なことなのです。
ランニング本は多読読書術で!
読んだランニング本が「おもしろくない」と感じたら、中身を疑う前に、
まずは、「もしかしたらこの本から新たな視点が発見できるかもしれない」と振り返ってみましょう。
1冊で一人からの視点だけだと、一つの側面からしか理解することができませんが、
多読することで複数の立場の視点を持つことで、複数の視点から読み取り、活用することができます。
すると、1冊の本代が、何倍にも価値が化けるわけです。
つまり、1冊の本を最大限に活用するためには、複数の視点を持つことが有効です。
こんなことを言うと、多読する時間が無いという人もいるかと思います。
しかし、今やスマホでも読書ができる時代です。
通勤時間はもちろん、コマ切れ時間さえも有効活用してスマホで読む。
そうやって、日常生活の中で、読書を優先順位の最も高いところに置く。
ランニングを中心に生活を組み替える。必要なスキルの獲得を優先し、
それ以外は後回しにすると割り切り、いっさい手を出さない。
そんな生活を日常にしていくことによって、ランニングスキルを上達させることができる。
これが本当の意味で、本で読んだことを吸収する、ということです。
あれこれ論評して実践もせずに、ランニング本を渡り歩く人は、
本の内容を愚直に実践する人には永遠に勝てないのです。
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